内容
名作に登場する、色にまつわる美しい日本語に北斎の絵や写真などが添えられた、
子どものことばの力を育てる新シリーズ!
監修は辞典編集一筋の神永曉氏。
「ちはやぶる 神世も聞かず たつた河 から紅に 水くゝるとは」(在原業平「古今和歌集」より)
この有名な一首の、「からくれない」ってどんな色?
くれない、あかね、しゅ……。赤といっても日本にはたくさんの色があります。
茜という植物の根や、紅花の花から取り出した色など、古くから自然のなかに色を見いだしてきた日本人の、自然と親しむ心を「いろ」から知ることができます。
ジャパンブルーとよばれ、日本を代表する色とも言われている「藍」にしても、藍からつくりだされる色ひとつひとつに、瓶(かめ)覗(のぞ)き~水色~浅(あさ)葱(ぎ)色~縹(はなだ)色~紺色と、微妙な青の違いを楽しんでいた、豊かな文化が感じられます。
言葉を獲得することは表現する力を大きく育むことにつながります。
シリーズ第一作「そら」につづき、先人たちの自然への豊かなまなざしを感じて、その心や文化を知ることができる「いろ」にまつわる言葉を集めました。
「藍」には葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」、「群青色」には尾形光琳「燕子花図屏風」など、美しい写真や絵を選び抜き、ことばのイメージを広げるビジュアルも豊富な一冊です。
著者について
神永 曉 氏
辞書編集者。元小学館辞典部編集長。1956年、千葉県生まれ。1980年、小学館の関連会社尚学図書に入社。1993年、小学館に移籍。尚学図書に入社以来、37年間ほぼ辞書編集一筋の人生を送る。担当した辞典は『日本国語大辞典 第二版』『現代国語例解辞典』『使い方の分かる類語例解辞典』『標準語引き日本方言辞典』『例解学習国語辞典』『日本語便利辞典』『美しい日本語の辞典』など多数。2017年2月に小学館を定年で退社後も『日本国語大辞典 第三版』に向けての編纂事業に参画している。著書に『悩ましい国語辞典』『さらに悩ましい国語辞典』『辞書編集者が選ぶ 美しい日本語101──文学作品から知る100年残したいことば』(いずれも時事通信社)、『微妙におかしな日本語』『辞書編集、三十七年』(いずれも草思社)などがある。2014年にNPO法人「こども・ことば研究所」を「辞書引き学習」を考案した深谷圭助中部大学教授と共同設立。国語に限らず小学校の英語教育や支援教育も視野に入れて、「辞書引き学習」による子どもの語彙力アップを目指した教育活動を展開。
日本のことばずかん いろ
単行本: 52ページ
出版社: 講談社
著者: 神永 曉
言語: 日本語
発売日: 2021/12/16
ISBN-10: 4065261899
size: 21.6 x 1.1 x 29.3 cm